ゴルフ道具のメンテナンスの記事は、たいてい「ラウンドが終わったらクラブを拭きましょう」から始まります。
その日の私は、拭くだけで精一杯です。
18ホール歩いたあとに、家で道具を広げる気力は残っていません。タオルでフェースをひと拭きして、バッグごと車から降ろす。ラウンド当日にやるのは、だいたいそこまでです。
手入れをしていないわけではありません。
やる日を、ラウンドの日から練習日へずらしただけです。溝を掃除するのも、グリップに溶剤を塗るのも、シューズを見るのも、全部そっちでやっています。
去年は52ラウンド回りました。当日に完璧を求めていたら、たぶん途中でやめていたと思います。

ラウンド当日にやること、練習日にやること
分け方を先に並べておきます。
| やること | いつ | 誰が |
|---|---|---|
| タオルでフェースを拭く | ラウンド当日 | 私 |
| 溝の汚れを落とす | 練習日 | 私 |
| ヘッドやシャフトの手入れ | 練習日 | 私 |
| グリップに溶剤を塗る | 練習日(定期的に) | 私 |
| グリップの交換 | 減ってきたら | ショップ |
| シューズの土落とし | 練習日 | 私 |
| シューズの鋲の交換 | 定期的に | 私 |
| グローブを洗う・乾かす | ラウンドのたび | 私 |
| バッグの中の整理 | 練習日 | 私 |
| ボールを新しくする | ラウンド前 | 私 |
ラウンドに関わる日にやるのは、フェースを拭くこと、グローブ、ボールの3つだけです。
残りは全部、練習に行く日にまとめています。
疲れている日に、続く仕組みは作れない
ラウンド後に手入れをする、という順番には理屈があります。汚れは新しいほうが落ちやすいですし、次に使うときに気持ちがいい。
ただ、その理屈は体力が残っている前提で書かれています。
朝早く出て、18ホール歩いて、渋滞にはまって帰ってくる。その状態で溝にブラシをかける自分を、私は想像できません。時間もありませんし、何より疲れています。
練習日は違います。
打ちっぱなしに行く日は、そもそもゴルフの用事で家を出る日です。その前後に道具を触るのは、流れとして無理がない。疲れてもいません。
続かない仕組みは、やっていないのと同じです。だったら、続く日にずらしたほうがいい。
資産形成でも似たことを考えてきました。毎月の入金を気合いでやろうとすると、たいてい途切れます。自動積立にした瞬間に続くようになったのは、意志の力を使わない形にしたからでした。道具の手入れも、そういうことなのだと思います。
グリップは「戻す」と「替える」の二段構え

14本の中で、いちばん手をかけているのがグリップです。
やっていることは2つあります。ひとつは専用の溶剤を塗って、表面のグリップ力を戻すこと。もうひとつが、減ってきたらショップで巻き直してもらうことです。
溶剤のほうは、練習日のついでに定期的にやります。
これが効くんですよね。塗ったあとに握ると、はっきり指に引っかかる感じが戻ります。交換まではまだ早いけれど、少し滑りはじめたかな、というあたりで挟むと寿命が延びます。
ここに手をかけている理由は単純で、滑るとスイングの話ではなくなるからです。
抜けないように握力で押さえにいくので、力の入り方そのものが変わってしまう。これは技術で埋められません。後半にバテる話を書いたばかりですが、握力で押さえる打ち方は、その疲れも早めます。
もうひとつ、グリップには他のパーツと決定的に違うところがあります。
新しいクラブを買っても、グリップは減るということです。
ドライバーの飛距離が落ちてきたら新しいものに乗り換えられますが、グリップは新品のクラブを買っても1年経てば同じように減ります。買い替えで解決できない、唯一の消耗品なんですよね。
巻き直しだけは、自分でやらない
溶剤は自分で塗るのに、巻き直しはショップに出します。
道具をそろえれば自分でもできるそうですが、14本分を巻く時間を考えると、その時間は練習グリーンで使ったほうがスコアは縮むと思っています。PINGの記事に「新しいクラブが欲しくなったら、まず練習グリーンに30分立つ」という自分ルールを書きましたが、判断の仕方は同じです。
お金は取り戻せるが、時間は取り戻せないとも書きました。
ここは、お金で時間を買っている場面だと思っています。
クラブ以外のほうが、実は手をかけている

書き出してみて自分でも意外だったのですが、手間の総量でいえばクラブより周辺の道具のほうが多いです。
グローブは、ラウンドのたびに洗います。汗を吸ったまま置いておくと硬くなって、握った感触が変わってしまうからです。洗って干して、練習用とラウンド用で分けています。
シューズは鋲のあるタイプを使っています。
土を落とすのはもちろんですが、それより鋲そのものを定期的に交換しているほうが大事だと思っています。すり減った鋲は、雨上がりの傾斜で滑ります。滑れば下半身が耐えられず、スイングは上体だけの手打ちになる。
グリップと理屈は同じですね。体と道具が接している場所は、減ると技術で埋められない。
手が触れるのがグリップとグローブ、足が触れるのがシューズの鋲。体が触れる場所への手入れは、結局この3つに集中しています。
バッグの中も、練習日に一度出して整理します。ティーが折れたまま溜まっていたり、いつのものか分からないボールが沈んでいたり。これは手入れというより、ただの片づけですが。
ボールは、ラウンド前に必ず新しくする
ここだけは、性能の話ではありません。
使い込んだボールでも、私の腕前で飛距離が何ヤード変わるとは思っていません。それでもラウンド前には必ず新しいものを入れます。
気分がいいからです。
1番ホールのティーグラウンドで、傷ひとつないボールを置く。それだけで、その日に向かう気持ちが少し変わります。理屈で説明できる効果ではありませんが、続けているということは、私にとっては効いているのだと思います。
道具の手入れを「1打に効くかどうか」だけで判断していたら、ここは真っ先に削られていたはずです。
実際には、削っていません。
つまり私の基準は「1打に効くか」だけではなく、「その日をいい状態で始められるか」も入っているということになります。書きながら気づきました。
パターの「特別扱い」は、訂正しておきます
ひとつ、前に書いたことを直しておきたいと思います。
PINGの記事で、私はこう書きました。「手入れも練習も、パターだけは特別扱いです」と。
今回あらためて自分の行動を並べてみて、これは正確ではありませんでした。
手入れの面では、パターも他の13本と同じ扱いです。特別だったのは練習のほうだけでした。全部の道具にまめに手をかけているので、パターだけが浮いているわけではなかった、というのが正しい。
ただ、ひとつ気になっていることがあります。
スコッツデール OSLO3は、1ラウンドの3分の1以上を一緒に過ごすクラブです。いちばん長く握っているのだから、いちばん先にグリップが減っているはずですよね。
14本を同じ間隔で交換していたら、パターだけ手遅れになっている可能性があります。次に持っていくときに聞いてみようと思います。
効いているかどうかは、確かめていない
ここまで、やっていることを筋道立てて書いてきました。
ただ、効果を測ったことは一度もありません。
溝を掃除した日としなかった日で、スピン量を比べたことはない。グリップに溶剤を塗ったあとにスコアが縮んだかどうかも、数字では追っていません。「引っかかる感じが戻った」という手の感覚だけで、続けています。
気になっているのは、ウェッジの溝です。
掃除はしていますが、溝そのものが浅くなっているかどうかは見てもらったことがありません。きれいにしている=性能が保たれている、と思い込んでいる可能性があります。汚れを落とすことと、削れた溝が戻ることは別の話ですから。
この形には見覚えがありました。
体について書いた記事でも同じことをやっていたんです。痛いところがないから大丈夫だと思っていたら、実際には後半のバテと翌日の疲れという形で変化が出ていました。不都合が出ていないことを、問題がないことの証拠にしていたわけです。
手入れをしているぶん、道具でも同じ油断をしている気がします。
まとめ
| 項目 | 今の結論 |
|---|---|
| ラウンド当日 | タオルでフェースを拭くだけ。疲れている日に完璧を求めない |
| 本格的な手入れ | 練習日にまとめる。ゴルフの用事で出る日なので続く |
| グリップ | 溶剤で戻す+減ったらショップで交換。滑ると技術で埋められない |
| 巻き直し | 自分ではやらない。その時間は練習グリーンに使う |
| シューズ | 土を落とし、鋲を定期交換。滑ると下半身が耐えられない |
| グローブ | ラウンドのたびに洗う。硬くなると握りが変わる |
| ボール | ラウンド前に必ず新品。性能ではなく、気持ちの問題 |
| パター | 手入れは他の13本と同じ。特別なのは練習だけ |
| 確かめていないこと | ウェッジの溝の深さ。掃除はしているが測ってはいない |
| 次にやること | グリップ交換のときに、ウェッジの溝も見てもらう |
手入れの記事を書くつもりが、自分の線引きを確かめる作業になりました。
手をかけているのは、体が触れる場所と、その日の気持ちが決まる場所でした。グリップ、鋲、グローブ、そしてボール。この4つに集中しています。
そしてやる日を、疲れていない日に寄せている。
この2つが、私の続いている理由なのだと思います。効果を数字で示せと言われたら困りますが、52ラウンド回っても道具が荒れていないという事実だけは残っています。
次にグリップを替えに行くとき、ウェッジも一緒に持っていこうと思います。

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