【FIRE準備コラム】思い出の配当金。モノは、買った日が利回りのピークだった

FIRE準備

この春、ドライバーを買い替えました。

専門店でフィッティングを受けて、計測の数字を見ながら選びました。届いた日はうれしくて、次のラウンドが待ち遠しかったのを覚えています。

あのときの高揚感が、今どれくらい残っているか。

白状すると、ほとんど残っていません。

ゴルフショップでドライバーを手に店員と話すゴルファー
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モノの喜びは、買った日が利回りのピーク

クラブが悪かったわけではないんです。5月のラウンド記には「良い当たりが出ており、距離感は出ています」と自分で書いていますし、飛距離が伸びたこと自体は今も変わりません。

変わったのは、私のほうでした。

3回目か4回目のラウンドあたりで、あれは「新しいドライバー」ではなく、ただの「私のドライバー」になりました。バッグに入っているのが当たり前になって、それ以上は何も感じなくなる。

配当にたとえると、しっくりきます。モノが払ってくれる喜びは、買った日がいちばん高くて、そこから毎月減っていく。減配が続いて、思ったより早く無配になります。

たちが悪いのは、無配になったことに自分では気づかないところですね。

ついでに書くと、14本すべてをPINGにそろえたときも、いちばん楽しかったのは何を買うか迷っていた期間でした。買う前が利回りのピークだったことになります。我ながら、しまらない話です。

1年たっても、まだ配当を出している支出がある

一方で、今も払い続けてくれている支出があります。

2025年の夏、ホームコースの平日コンペに出ました。その年の春に知り合ったご夫婦と一緒に回った日です。

その日はグロス87。当時の自己ベストでした(そのときのラウンド記)。今のベストは83なので、この数字はもう過去のものです。

3番の打ち上げミドルで、セカンドをグリーンに乗せて、そのまま1パットのバーディー。1年以上たった今でも、あのホールの景色と、入った瞬間に自分が出した声を思い出せます。

そのご縁は今も続いていて、今月もコンペをご一緒しました。年に数回、一緒に回る関係です。

ここが自分でも意外だったところでした。経験は思い出を返してくれるだけではなく、次の経験まで連れてきます。

株の配当は口座に入って、そこでいったん止まります。使うのか、再投資するのか、自分で決めなければいけません。経験の配当は、決める前に勝手に再投資されている

グリーン上でハイタッチをする2人のゴルファー
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「思い出の配当金」は、増配していく

この考え方自体は私が思いついたものではなく、『DIE WITH ZERO』の「記憶の配当」という言葉から来ています。「使いきれない」世界の記事タイムバケットの記事でも触れました。

ただ、自分の支出で確かめてみると、モノとの差は「続くかどうか」だけではないようです。

モノは減配していく。経験は増配していく。

なぜ増えるのか。同じ話を何度もするからではないかと考えています。人に話すたびに、スコアの数字より「あの日の空気」のほうが濃くなっていく。少し盛っている自覚もあります。

床に広げた写真とアルバムを見返す2人
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もっとも、使ったお金がぜんぶ思い出になるわけではありません。

義務で出た飲み会も、行った先すら覚えていない出張もあります。並べてみて気づいたのは、配当を出してくれた経験には、たいてい誰かが一緒にいたということでした。ひとりで消費したものは、モノでも経験でも、あまり残っていません。

270万円の会員権は、モノの顔をした経験だった

5年前、ゴルフ会員権に約270万円を払いました。当時のスコアは120前後で、一緒に回る仲間はゼロです。

モノとして採点すれば、ひどい買い物です。売りたいときにすぐ売れず、1つのゴルフ場の経営リスクをまとめて背負う。株なら絶対に手を出さない条件がそろっています。5年後の答え合わせでも、そこは隠さずに書きました。

それでも、後悔していません。

5年のあいだに毎月一緒に回るグループができて、スコアは120から83まで来ました。会員になって気づいた本当のコスパに書いたとおり、270万円で買ったのは割引券ではなく「通い続ける理由」でした。

だから、モノか経験かという二択ではないのだと思います。問いは「それがモノかどうか」ではなく、「そのモノが経験を連れてくるかどうか」

ドライバーも同じでした。買った日の高揚感はとっくに無配になりましたが、クラブそのものは、年に何十回もコースへ私を連れ出しています。無配になったのは高揚感のほうで、道具のほうは今も働いている。

それでも、使うほうは下手なままです

ここまで書いておいて何ですが、私は経験にお金を使うのが上手ではありません。

今の配当は、手取りで月7.6万円ほど。「配当 月20万円」の設計図でいうと、まだ4割弱の地点です。そしてこの配当は、基本的に次の買い付けに回しています。

「使えない病」に書いた症状は、その後も治っていません。むしろ資産が増えたぶん、使わない理由を数字で説明できるようになってしまいました。

時間は取り戻せないとも書きました。健康資産の話も書きました。書いた本人が、いちばん動いていない。

それで考えているのが、配当の一部を最初から「思い出の配当金」として分けてしまうことです。金額はまだ決めていません。

再投資に回す前に抜いておけば、使うかどうかで毎回悩まずに済むはずです。給料から天引きで積み立てるのと、理屈は同じですね。

まとめ

  • モノの喜びは買った日が利回りのピーク。思ったより早く無配になる
  • 経験は思い出を返すだけでなく、次の経験を連れてくる。勝手に再投資される
  • 配当を出してくれた経験には、たいてい誰かが一緒にいた
  • モノか経験かではなく、そのモノが経験を連れてくるかどうか
  • 分かっていても使うのは下手。だから先に分けておく

1億円までのロードマップは、これまで何度も書き直してきました。

そのわりに、思い出のほうの計画は一度も書いたことがありません。たぶん、そっちのほうが難しいんですよね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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