【高配当銘柄紹介】第一ライフグループ(8750)|株価2.7倍でも利回り3.7%。配当性向50%以上へ引き上げた増配株

高配当銘柄

この記事の主役は、私の保有株のなかでちょっと特別な立ち位置にいる1本です。第一ライフグループ(証券コード:8750)。2026年4月まで「第一生命ホールディングス」という社名だった、あの第一生命の持ち株会社です。

平均取得単価は704円。株価は1,932円まで上がって約2.7倍、簿価利回りは約10.2%になりました。

東京のオフィスビル群
Photo by Johnny Song on Pexels

ここまでは、これまで紹介してきた銘柄と同じ話です。ところがこの株には、他の保有株にはない特徴があります。株価が2.7倍になったのに、いま買う人の利回りも過去平均を上回っている。増配のペースが、株価の上昇に追いついているんですね。詳しくは後半で。

基本データ

項目数値
証券コード8750
企業名株式会社第一ライフグループ(旧・第一生命ホールディングス)
業種保険業(生命保険)
株価1,932円
時価総額約7.0兆円
配当利回り(予想)3.73%(72円)
PER(会社予想)13.6倍
PBR(実績)1.64倍
EPS(予想)142.46円
BPS(実績)1,181.36円
決算期3月
私の平均取得単価704円(簿価利回り約10.2%

※2025年4月に1株を4株にする株式分割がありました。この記事の株価・配当・EPSは、すべて分割後の基準に揃えています。分割前の実際の金額はこの4倍です。

どんな会社か|「生保」から「保険サービス業」へ

書類にサインする手元
Photo by cytonn on Pexels

第一生命という名前で知られていますが、いまのグループは生命保険だけの会社ではありません。

国内では第一生命・第一フロンティア生命・ネオファースト生命(現・第一ネオ生命)の3社体制。海外では米国のプロテクティブ社を中心に、オーストラリアや東南アジアにも展開しています。さらに福利厚生サービスのベネフィット・ワンを買収し、保険の外へも手を伸ばしました。

2026年4月に社名を「第一ライフグループ」へ変えたのも、この流れの延長です。生命保険という言葉を社名から外したところに、会社の方向性がよく表れています。

保険会社の決算書には売上高や営業利益という項目がありません。代わりに使うのが経常収益と経常利益です。東京海上ホールディングスの記事と同じ見方になります。

配当の推移|10年で5.8倍、減配なし

第一ライフグループの1株配当の推移(2018年3月期12.5円から2027年3月期予想72円)

1株配当は2018年3月期の12.5円から、2027年3月期予想の72円へ。10年で5.8倍です。

しかも、この10年で一度も減配していません。2021年3月期に前期と同額で据え置いた年が1度あるだけで、あとはすべて増配です。

目を引くのが直近です。2025年3月期の33.25円から、2026年3月期は54.5円へ64%の増配。さらに2027年3月期は72円の予想。2年で配当が2倍以上になる計算です。

この急加速には理由があります。会社が配当性向の目標を段階的に引き上げてきたからです。2025年5月に「40%以上」から「45%以上」へ、そして2026年5月には「50%以上」へ。利益の伸び以上に、株主に返す割合そのものを増やしにきています。

業績の推移|波はあるが、収益の規模は右肩上がり

第一ライフグループの経常収益と経常利益率の推移

経常収益は7兆円台から11兆円台へ。買収と海外事業の拡大で、規模は着実に大きくなっています。

一方、経常利益率は3〜8%のあいだで上下しています。保険会社の利益は、株式や債券の運用成績、為替、そして自然災害や金利の動きに左右されるためです。コロナ期の2020年3月期は3.1%まで落ち込みました。

第一ライフグループのROEの推移(8%基準線つき)

ROEを見ると、この振れがもっとはっきりします。2020年3月期は0.86%まで落ち込みました。合格ラインの8%を割った年が10期のうち4回あります。

ただし直近3期は8%を安定して超え、2025年3月期は12.6%、2027年3月期予想も12.06%。収益力は明らかに一段上がっています。ここは評価していいところです。

EPSと配当性向|利益が消えた年も、配当は減らさなかった

第一ライフグループのEPSと配当性向の推移

この記事でいちばん見てほしいのが、このグラフです。

2020年3月期、EPSは7.13円まで落ちました。前期の48円から、ほぼ利益が消えた年です。それでも配当は15.5円のまま据え置かれました。結果、配当性向は217%利益の2倍以上を配当に回したことになります。

これが「配当を減らさない」という会社の姿勢を、いちばん分かりやすく示している数字です。減配を経験したバルカーと比べると、性格の違いがはっきりします。

直近は配当性向45.5%、2027年3月期予想は50.5%。引き上げたばかりの方針「50%以上」を、初年度からきちんと満たす予想です。なお配当性向はグループ修正利益の直近3年平均をベースに計算されるため、単年の利益がぶれても配当は動きにくい設計になっています。

株価の動向|10年眠って、2年で跳ねた

第一ライフグループの株価推移(月末終値・直近10年、平均取得単価704円のライン入り)

チャートを見ると、2016年から2021年までの5年間、300〜600円台をひたすら行き来していました。私の取得単価704円(オレンジの点線)は、その停滞期の後半に買った水準です。

動き出したのは2023年から。日銀の政策転換で金利が上がる見通しが出てきたことが大きい。保険会社は預かった保険料を国債などで運用するので、金利が上がると利益が増えやすい体質です。

そこから2年で株価は3倍近くに。三井住友フィナンシャルグループが金利上昇で買われたのと、まったく同じ構図です。

この銘柄の特別なところ|利回りが下がらない

第一ライフグループの配当利回りの推移(各年末時点・執筆時点3.73%、過去9年平均3.34%)

冒頭に書いた「特別な立ち位置」の話です。

これまで紹介してきた銘柄は、株価が上がった結果、いま買う人の利回りが過去平均を下回っていました。三菱HCキャピタルは3.27%(平均4.34%)、バルカーは3.27%(平均4.19%)、三井物産は2.85%(平均3.71%)。どれも「安く買えた過去の産物」です。

ところがこの銘柄は、現在利回り3.73%に対して過去9年平均は3.34%。株価が2.7倍になっても、利回りは過去平均より高い。増配のスピードが、株価の上昇に追いついているからです。

いま買う人にとっても、まだ「高配当株」として成立している。私の保有銘柄では珍しいタイプです。

予想PER(株価収益率)
13.6倍
類似企業PER(東京海上)約16倍
減配実績直近10期なし
配当の伸び(10年)5.8倍
PBR(株価純資産倍率)
1.64倍
ROE(27/3期予想)12.06%
配当性向の方針50%以上
現在利回り vs 過去平均3.73% > 3.34%
執筆時点の終値・2026年3月期実績ベース

直近の決算|第1四半期は大幅増益

2026年8月7日に発表された2027年3月期の第1四半期は、経常利益が2,511億円(前年同期比195.6%増)、四半期純利益が1,601億円(同367.8%増)。資産運用収益の増加が主因です。通期の純利益予想に対して、3か月で約3割を達成しました。

ただ、保険会社の四半期利益は、株式や債券の評価が動くだけで大きく振れます。この勢いがそのまま通期につながるとは限りません。会社側も通期予想(1株利益142.46円・年間配当72円)は据え置いています。

むしろ注目したいのは、配当の計算方法のほうです。この会社の配当性向はグループ修正利益の直近3年平均をベースに決まります。単年の利益がぶれても、配当は静かに増えていく設計になっている。利益が跳ねた年に一気に増配しない代わりに、落ち込んだ年も減らさない。配当で暮らす計画には、この安定感がありがたいところです。

私がこの株を持ち続ける理由

水面に映る高層ビル群
Photo by Railgunbreaker on Pexels

理由① 簿価利回り10.2%の配当マシン

取得単価704円に対して年72円。この1本で簿価利回り10.2%です。しかも配当は2年で2倍になったばかりで、まだ伸びる余地があります。持っているだけで利回りが上がっていくという、高配当投資でいちばん気持ちのいい状態です。

理由② 利益が消えても配当を守った実績

2020年3月期の配当性向217%。あの年に減配しなかった事実が、この会社を信用する根拠です。配当で月20万円を目指す計画では、不況の年に減らさない銘柄こそが土台になります。

理由③ 金利上昇が追い風になる

日本の金利はまだ上がる余地があります。保険会社は運用の利回りが上がるほど利益が増える構造なので、金利上昇局面ではポートフォリオの守り役になってくれます。金融株を複数持つ意味は、ここにあります。

リスクと注意点

① 利益の振れが大きい。ROEが0.86%まで落ちた年があります。株式相場・為替・自然災害の影響を受けるので、利益は安定しません。

② 営業キャッシュフローがマイナスの年がある。2021〜2023年3月期は3期連続でマイナスでした。保険会社は保険金の支払いや運用資産の入れ替えでこうなることがあり、ただちに危険という話ではありません。ただ、他の業種と同じ物差しでは測れない点は知っておくべきです。

③ 自己資本比率が低く見える。5〜7%程度ですが、これは保険・銀行では普通のことです。保険会社の健全性はソルベンシー・マージン比率という別の指標で見ます。

④ 株価が短期間で上がりすぎている面もある。2年で3倍近くまで来ました。金利上昇の期待を相当織り込んでいるはずで、期待が外れれば下げも速いでしょう。

私の考え|買い増しを検討している数少ない1本

保有株の多くは「持ち続けるが、いまの株価では買い増さない」という結論になります。この銘柄は違います。

理由は単純で、いま買っても利回り3.73%が取れるからです。過去平均を上回っていて、配当性向の方針引き上げという追い風もある。お金を使えない病の私でも、この条件なら手が動きます。

もちろん一度に買うつもりはありません。株価が調整した場面で、少しずつ拾っていく。利回り4%を超える日が来たら、迷わず買います。

まとめ

項目評価
私の簿価利回り(約10.2%)
現在の利回り(3.73%)◎(過去平均3.34%を上回る)
配当実績(10年で5.8倍・減配なし・性向50%以上へ)
収益力(ROEは0.86%〜12.6%と振れ幅大)
財務(保険会社特有。営業CFはマイナスの年あり)
株価水準(PER13.6倍・PBR1.64倍)
ポートフォリオでの役割金利上昇の受け皿。買い増し候補

利益は揺れる。それでも配当は減らさない。10年分の数字を並べてみて、この会社の性格がはっきり見えました。派手さより、続けることを選ぶ会社です。私の投資方針とも、たぶん相性がいい。

⚠ 注意点
・本記事の株価・指標・業績・配当の数字は、すべて執筆時点のものです。株価は直近の終値、業績と配当は直近の本決算実績と会社予想に基づいています。
・株価・1株配当・EPSは、2025年4月の株式分割(1株→4株)を調整した基準で表示しています。
・2026年8月7日に2027年3月期・第1四半期の決算が発表されました(本記事はその内容を反映しています)。次回は11月上旬の予定です。最新の数字は必ずご自身でご確認ください。
・配当性向50%以上(グループ修正利益の3年平均ベース)は会社の方針であり、将来の配当を保証するものではありません。業績や方針の変更で減配される可能性があります。
・本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。私自身の保有銘柄について、投資判断の記録として書いたものです。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました