【高配当銘柄紹介】バルカー(7995)|半導体を支える「シール材」の専門メーカーを簿価利回り8.8%で

高配当銘柄

「バルカー」という会社名を聞いて、何を作っているか分かる人はどのくらいいるでしょうか。私も買うまで知りませんでした。バルカー(証券コード:7995)は1927年創業、パッキンやガスケットといった「シール材」の専門メーカーです。東証プライム上場。地味な社名ですが、半導体製造装置や化学プラントの現場を静かに支えている会社で、私の保有銘柄のひとつです。

私の平均取得単価は2,280円。それが6,240円まで上がって約2.7倍になり、取得単価に対する利回り(簿価利回り)は約8.8%まで育ちました。正直、ここまで来るとは思っていませんでした。

基板に載った半導体チップ
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前回の三菱HCキャピタルが「26期連続増配の安定株」だったのに対し、この銘柄は少し性格が違います。業績も株価も波がある景気敏感株。それでも私のポートフォリオに残っているのは、その波を乗り越えるだけの中身があるからです。

基本データ

項目数値
証券コード7995
企業名株式会社バルカー
株価6,240円
時価総額約1,166億円
配当利回り(予想)3.21%(200円)
PER(会社予想)15.5倍
PBR(実績)2.06倍
EPS(予想)402.94円
BPS(実績)3,035.13円
自己資本比率64.1%
決算期3月
私の平均取得単価2,280円(簿価利回り約8.8%

株価は今年に入って大きく動きました。年初は4,000円台だったものが、8,660円の年初来高値をつけ、そこから調整して現在は6,240円。値動きの荒い展開が続いています。

どんな会社か|「見えない部品」の専門メーカー

工場の配管とバルブ
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バルカーの主力はシール製品です。パッキン、ガスケット、Oリング。機械のつなぎ目から気体や液体が漏れないよう封じ込める、地味だけれど欠かせない部品です。

用途を見ると、この会社の立ち位置がよく分かります。半導体製造装置、化学プラント、電気・電子機器、自動車、真空機器、食品、発電プラント、航空機。どれも「絶対に漏れてはいけない」現場ばかり。ふっ素樹脂や高機能ゴムといった素材から自社で設計・製造しているのが強みです。

シリコンウェーハの再生事業も手がけていて、半導体との縁はかなり深い会社です。売上規模は連結で約586億円(2026年3月期)ですから、決して大きくはありません。それでも、代わりが見つかりにくい部品を作っている会社は強い。これは高配当株を選ぶときに、私がいちばん気にしている点です。

配当の推移|4年据え置きから、一気に増配予想

バルカーの1株配当の推移(2018年3月期85円〜2027年3月期予想200円)

1株配当は2018年3月期の85円から、2027年3月期予想の200円へ。10年で約2.4倍です。

ただ、きれいな右肩上がりかというと、そうではありません。2021年3月期には100円から95円へ減配しています。コロナ禍で業績が落ちた年ですね。連続増配記録を売りにする三菱HCキャピタルとは、ここが決定的に違うところです。

そして2023年3月期に150円へ到達したあとは、4年連続で150円の据え置き。業績が振れても配当を維持してきた形です。それが2027年3月期は一気に200円へ増配予想。据え置きの我慢の後に、大きな一歩が出た形です。

業績の推移|波はあるが、利益率は二桁圏

バルカーの売上高と営業利益率の推移

売上高は2023年3月期の622億円をピークに、2026年3月期は586億円まで緩やかに下がっています。会社予想では2027年3月期に650億円で過去最高を見込んでいます。

注目したいのは営業利益率です。コロナ禍の2021年3月期に7.8%まで落ちたあと、13〜14%台まで回復。2027年3月期予想は13.8%。売上が横ばいでも利益率で稼げる会社になってきています。素材から自前で作るメーカーの強みが出ているところです。

バルカーのROEの推移(8%基準線つき)

ROEは10期すべてで合格ラインの8%を上回っています。景気敏感株なのに、いちばん悪い年でも8.67%を確保している。これは素直にすごい数字だと思います。2027年3月期の予想は13.28%と、かなりの高水準です。

EPSと配当性向|還元方針は「50%」

バルカーのEPSと配当性向の推移

会社の株主還元方針は明快で、株主還元性向50%が目標です。これは「配当金の総額+業績に基づく自己株買いの額」を純利益で割った数字。つまり稼いだ利益の半分を株主に返すという考え方です。

配当性向の実績は39〜60%のあいだを行き来しています。EPSが落ちた年は配当を維持したので配当性向が上がり(2020年3月期60%)、EPSが伸びた年は下がる。利益に振り回されず配当を守ってきた跡が、この線の上下に残っています。

2027年3月期はEPS402.94円に対して配当200円、配当性向は約50%。ちょうど方針どおりの水準です。

株価の動向|取得単価の2.7倍に

バルカーの株価の推移(月末終値・直近10年、平均取得単価2,280円のライン入り)

10年チャートを見ると、2019年から2021年までは2,000円台で長く停滞していました。私の取得単価2,280円(オレンジの点線)は、ちょうどその停滞期の水準です。

動き出したのは2022年後半から。2024年に5,000円台をつけたあと一度3,000円台まで戻し、今年に入って急騰。月末終値でも8,200円まで到達しました。

半導体製造装置向けという事業構造を思えば、この値動きは半導体サイクルへの期待と不安をそのまま映したもののようです。原油価格に振られるINPEXと同じで、外部環境で株価が大きく動く銘柄だと割り切って持つ必要があります。

配当利回りの推移と、いまの割安度

バルカーの配当利回りの推移(各年末時点・執筆時点3.21%、過去9年平均4.19%)

各年末時点の利回りをたどると、株価が停滞していた2020〜2022年は4.6〜5.7%の高利回りでした。あの時期に買えた人は、簿価利回りで一生ものの高配当を手にしています。私の8.8%も、要するにその時期の恩恵にすぎません。腕ではなく、タイミングです。

株価が2.7倍になった現在の利回りは3.21%。過去9年の平均(4.19%)を大きく下回る水準まで下がりました。

予想PER(株価収益率)
15.5倍
過去10年の中位圏10〜15倍
類似企業PER(日本ピラー)21.5倍
減配実績2021年3月期にあり
PBR(株価純資産倍率)
2.06倍
自己資本比率64.1%
営業CFの黒字10期以上連続
株主還元性向の方針50%目標
執筆時点の終値・2026年3月期実績ベース

PER15.5倍は、この会社の過去のレンジ(10〜15倍程度)の上限あたり。ただ同業の日本ピラー(21.5倍)と比べれば低い。PBR2.06倍も過去に比べれば高い水準です。割安ではないが、期待だけで買われている水準でもないという中間地点にいます。

財務のほうは安心して見ていられます。自己資本比率64.1%、営業キャッシュフローは10期以上ずっと黒字。景気敏感株でこの守りの堅さは、けっこう心強いです。

私がこの株を持ち続ける理由

精密な回路基板
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理由① 簿価利回り8.8%の「配当製造機」

取得単価2,280円に対して年200円の配当。この1本だけで簿価利回り8.8%です。株価がいくら上下しても、私の元本に対する配当利回りは変わりません。株価が半分になっても、減配がなければ配当はそのまま入ってきます。

この感覚は、三井住友フィナンシャルグループの記事でも書いたとおりです。安く買った1株は、時間が経つほど働きが良くなる。

理由② 利益率が上がってきている

売上が横ばいでも営業利益率が13%台まで戻ってきた。ここが持ち続ける根拠です。数量ではなく中身で稼げる会社は、次の景気の谷でも致命傷を負いにくい。ROEが10期連続で8%超という数字も、それを裏づけています。

理由③ 半導体という長期テーマに、地味な角度で乗れる

半導体そのものの会社は値動きが激しすぎて、私には手が出ません。でも製造装置に使われるシール材なら、テーマの恩恵は受けつつ、化学・自動車・食品・発電といった別の柱もある。景気敏感株ではありますが、1本足打法ではないところが気に入っています。

リスクと注意点

① 半導体サイクルの影響が大きい。設備投資が止まれば、装置向けの需要も止まります。2026年の急騰は期待が先行した面もあり、期待がはがれたときの下げも速いはずです。

② 減配の実績がある。2021年3月期に減配しました。「連続増配だから安心」という買い方はできません。業績が崩れれば配当も動きうる銘柄です。

③ 今から買う人の利回りは3%。株価が2.7倍になった今、新規の利回りは3.21%で、過去平均を下回ります。「今すぐ高い利回り」を求める買い方には向きません。

④ 決算の直前です。本記事の執筆直後に、第1四半期決算の発表が控えています。数字が変わりやすい時期の記事だという点は、割り引いて読んでください。

私の考え|「売らない」が答え

含み益は取得単価の約2.7倍。ここで売れば、それなりの利益が確定します。それでも売りません。

理由は単純で、私が欲しいのは売却益ではなく、毎月の配当だからです。配当で月20万円という設計図に向かって積み上げている途中で、簿価利回り8.8%の銘柄を手放す理由がありません。売った瞬間に、この利回りは二度と手に入らなくなります。

もし今の株価水準で買い増すかと聞かれたら、答えは「待つ」です。利回りが4%台を回復する場面が来れば、迷わず拾いたい。景気敏感株は、安くなったときに仕込むのが鉄則だと思っています。

まとめ

項目評価
私の簿価利回り(約8.8%)
現在の利回り(3.21%)△(過去平均4.19%を下回る)
配当実績(10年で2.4倍・ただし2021年3月期に減配)
収益力(営業利益率13%台・ROE10期連続8%超)
財務(自己資本比率64.1%・営業CF黒字継続)
株価水準(PER15.5倍・PBR2.06倍)○(割安ではない)
ポートフォリオでの役割景気敏感株(半導体・化学の成長を取る役)

派手さはないけれど、機械のつなぎ目を静かに支えている会社。持っていることを忘れるくらい地味で、忘れているあいだに配当だけが積み上がっていく。私にとっては、そういう銘柄です。こういう会社が、いちばん長く付き合えるのかもしれませんね。

⚠ 注意点
・本記事の株価・指標・業績・配当の数字は、すべて執筆時点のものです。株価は直近の終値、業績と配当は直近の本決算実績と会社予想に基づいています。
・執筆の直後に四半期決算の発表が控えており、その内容によって会社予想や各指標は変わります。最新の数字は必ずご自身でご確認ください。
・配当は業績によって減配される可能性があります。実際にこの銘柄は過去に減配した実績があります。
・本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。私自身の保有銘柄について、投資判断の記録として書いたものです。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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